インド留学記 オンラインでの3学期編
皆さま、メリークリスマスです、
一段と冷え込む今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
ご無沙汰しておりましたが、昨日無事に3学期の期末試験が全て終了しました。
本当に皆様の暖かい声援のおかげ様で、乗り切ることができました。
心より感謝しています。
コロナ禍においての、プネー大学としても初のオンライン授業。
初めは教師、生徒共に戸惑いも多かったですが、
現在システムも安定して快適にも感じています。
ただ週6、1日4時間、時に6時間に及ぶオンライン授業•••結構ハードにも感じました。
オンライン授業は、「Google meet」を使用。インドの授業は、先生と生徒の掛け合いがあるので、ミュートボタンを巧みに使用し、「Yes、Sir」「May I ask??」「Sir, I have a question」などと生徒側も質問や相槌を入れていきます。たまに多くの生徒が一気に返事をすると、ワサワサワサっとなりますが、そんなところも面白いです。
オンラインシステムは、「Moodle」というものを使用。
最近では課題の提出や、PPTのアップロード全てシステム内で行われます。
先生がチェックした点数もすぐにアップされていきます。
今回の期末試験も「Moodle」にて、選択、穴埋め、記述式の試験が行われました。2週間ほど前から課題の提出や内試験で「Moodle」を使用しながら、使い方に慣れて、本番の外試験に臨むという段階的なステップにての運用でした。
さて、少し3学期の授業の振り返りと紹介ができればと思います。
- YG:301 Bhakti Yoga/ バクティ・ヨーガ
- YG:302 Applied Yoga/ ヨーガの応用
- YG:301 Mantra Yoga/ マントラ・ヨーガ
- YG:301 Research Methodology/ 研究方法
- YG:301 Yoga in Modern Era/ 現代におけるヨーガ
- YG: Research Proposal/ 研究計画書
今学期の科目は上記の5科目、プラス修士論文の研究計画書を書くという合計6科目
本日の紹介は、YG:301 Bhakti Yoga/ バクティ・ヨーガ。
こちらの教科とマントラ・ヨーガは、正直未知との遭遇です。
QCIガイドブックでも「バガヴァッド・ギーター」12章の引用と、7章に出てくるバクティ・ヨーガを行っている人の4つのタイプ、そして「バガヴァッド・プーラーナ」などに見られる9つのバクティの方法が出てきます。
しかしそれ以上に触れたこともなく、果たしてついていけるのか・・・
そんな始まりでした、、、
内容としては、ざっくりこんな感じとなります。
Credit1:
- バクティ・ヨーガの定義
- バクティの種類(サグナ・ニルグナなど)
- バクティ・ヨーガの目的
- バクティ・ヨーガの方法
- マントラ・ジャパ
- バクティ・ヨーガにおけるグルの重要性
Credit2:
- ナーラダ・バクティ・スートラ
- バガヴァッド・ギーター12章
- ラーマーヤナ/ ラーマチャリットマーナス
- バガヴァッド・プラーナ
Credit3:
- St.トゥルシー・ダース
- St.ミーラバイ
- St.カビール
- St.スールダース
Credit4:
- 愛の三角形
- バクティ・ヨーガ上級者の性質
「パタンジャリのヨーガ・スートラ」がラージャ・ヨーガの主要文献であるように、バクティ・ヨーガにも主要文献があり代表的なものがシラバスに含まれているのですが、
「ナーラダ・バクティ・スートラ」にバクティの定義が記載されています。
また、バクティ・ヨーガは、「ヴェーダの知識がなくとも、誰でも行うことができる」、
「ヨーガの中でも一番簡単な方法」という位置づけです。
有名なのは、ナラヴィダ・バクティ/9つのバクティの方法ですが、11個バージョンも出てきたり、そのほかにも儀礼の16ステップ、マントラチャンティングも色々・・・
さすが誰でも、好きなものを選べるようにと多くの種類が紹介されているように思います。
バクティ・ヨーガに関わるその他文献として、
インドの叙事詩「バガヴァッド・ギーター12章」と「ラーマーヤナ/ ラーマチャリットマーナス」、そして「バガヴァッド・プラーナ」なども見ていきます。
「バガヴァッド・ギーター」は全部で18章、約700の節にて構成。
そのうちの12章目がバクティ・ヨーガの章となります。全部で20節の小さな章です。
そこにアルジュナとクリシュナの対話で、サグナ・ニルグナ・バクティや推奨されるバクティの方法、バクティ・ヨーギーの性質などが出てきます。
「ラーマーヤナ」も「ラーマチャリットマーナス」はどちらも内容ほぼ同じなのですが、「ラーマーヤナ」ヴァルミキによってサンスクリットにて描かれた作品。
「ラーマチャリットマナス」はトゥルシーダースによってアワディーというヒンディー語の一種で書かれた作品。これはどういうことかというと、サンスクリットは古語で難しくて読めない人が多いのですが、アワディー語なら誰でも読めるということで、民衆にその作品が広まったとのこと。インド全土に止まらず、インドネシアやタイなど世界で親しまれる「ラーマーヤナ」その背景には新しい言語での再構成があったのですね。試験も終わったので、ここで「ラーマーヤナ」改めて観てみようと思いました。
ちなみに、トゥルシーダースの「トゥルシー」は薬草の名前やバラナシのガンジス川湖畔のトゥルシー・ガートの由来とのこと。
さらに、インドのバクティ・ヨーガの偉人たちを見ていきます。
先ほども「ラーマチャリットマーナス」の作者として出てきたトゥルシーダース、ミーラバイなどはインドでは誰もが知る有名人。
ミーラバイは、王家のお嬢様でしたが、まるで夫のようにクリシュナ神に信仰。人種の階級を超えて、村々でキルタンやバジャンという神様を信仰する歌を歌い続けた女性です。人生においてミラクルな逸話も残っており、最後はクリシュナの像に溶けて行ったとのこと。
最後の「愛の三角形」は、英語で「Triangle of love」と出てきたので、
え、これ何の授業?とか思ったのですが、、、笑
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダの「バクティ・ヨーガ」に記載されている内容です。
全くついていけないかと思っていたバクティ・ヨーガでしたが、文献に記載されている内容を確認という授業内容だったので、意外にも楽しむことができました。
クラスメイトは週1回断食用の食事に変更したり、儀礼を生活の中に取り入れています。バクティ・ヨーガの授業を通じて、インドの方の考え方や価値観を理解するのに役立ったようにも思います。
ちなみに「ナーラダ・バクティ・スートラ」のバクティ・ヨーガの定義では、
「儀礼の行為や、言葉、思考が統合された状態が本当のバクティだ」といった内容が出てきます。「やってることと、言ってることと、思ってることが一致した状態」というのは、どんなヨーガの流派でも言われることで、コンセプトは一緒ですね。
次回は「現代におけるヨーガ」について振り返っていきたいと思います。
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