インド留学記: ハタ・ヨーガ授業進行状況
みなさま、もうコロナウイルスの話題でお腹一杯状態だと思うのですが、
インドでも国閉鎖が始まりました。
マハーラ―シュトラ州でも今週から学校閉鎖、2週間の休講。
キャンパス内の寮に住んでいますが、極力外出を避けるようにとのお達しです。
インドではイベントごとが多いのでなんだかんだと時が過ぎるのは早く…
ただ今回は時間が出来たので、2学期の授業の内容を少し振り返ってみようと思います。
現在3月、、、
1月1日に2学期がスタートし、現在3ヶ月目。
2学期の試験は5月11〜14日。
2学期でカバーする教科:
1. Hatha yogic text
2. Anatomy and physiology of Yoga Practices
3. Yoga philosophy
4. Yoga and Mental Health
5. Yoga Practices (実習)
進行状況ですが、各教科のシラバスは4つの小項目(ユニット)にて構成されているのですが、ほとんどがユニット1の終わりか、2の始まりといったところです。さらにここで2週間の休講。試験前に急いでシラバス消化、怒濤の課題提出ということが予測されます…汗汗汗
今日はHatha Yogic text について、、、
この教科は、1学期からの続きになります。
1学期は、ハタ・ヨーガの代表的テキスト「ハタ・プラディーピカー」をカバー。
この2学期は、その他のハタ・ヨーガのテキスト「ゲーランダ・サムヒター」「ゴーラクシャ・シャタカン」「シッダ・シッダーンタ・パダティ」「ハタ・ラトナヴァリ」「ハタ・タットヴァ・カウムディ」「ダッタトラヤ・ヨーガシャストラ」と6つの文献をカバーの予定。
1学期は1文献、2学期は6つの文献,,,2学期の比重が凄まじいのです。
現在「ゲーランダ・サムヒター」と「ゴーラクシャ・シャタカン」が終了、
「シッダ・シッダーンタ・パダティ」に差し掛かっているところです。
このボリュームなので、授業で触れるのは簡単な序論(むしろ序論なしの時も)と、各節の説明になります。
Kaivalyadhamaのディプロマで、その内容まで触れるのは、「ハタ・プラディーピカ」「ゲーランダ・サムヒター」の2文献なので、その他の文献については、内容に触れるのはM.Aで触れるのが初となります。
現在「シッダ・シッダーンタ・パダティ」が始まったところ、「シッダ・シッダーンタ・パダティ」と「ゴーラクシャ・シャタカン」は両方ともにゴーラクシャ・ナータによって書かれた文献となります。
「シッダ・シッダ―ンタ・パダティ」
直訳で、英語だと「Path of doctrine of shiddha」となりまが、
日本語だと「ヨーギーの原理原則の道すじ」とでもなるのでしょうか…
こちらの文献は、哲学的要素がメイン、そしてヴェーダンタとも、サーンキャ哲学とも異なる…なかなか手強い文献です。
シッダ・シッダーンタ・パダティは6つの章で構成されています.
1. Origin of Pinda ピンダの起源
2. Deliberation of Pinda ピンダについての思案
3. Insight into body 身体への洞察
4. Sustainer of the universe 宇宙全体を支えているものについて
5. Union of the pinda and the pada Absolute reality
ピンダと究極真理との結合
6. Distinguishing characteristics on Avadhuta 到達した者の特徴
ピンダは「身体」とも表されますが人間の身体だけをさす訳ではありません。
起源から6段階のピンダがあります。その6番目がやっと人間の身体です。
シッダ・シッダーンタ・パダティの冒頭は、他のナータ派文献同様、アディナータへの敬意の言葉で始まります。
その後、1章では宇宙の始まりから、人間が身体を持って生まれるまでの段階の説明が始まります。まず「アナーマー」という名前もない、始まりも終わりもない、それ自体何にも依存せず独立して存在するものだけがあると言います。
それはインドで良く言われる「創造の神」といった性質ももっていません。
しかしその「アナーマー」の”意志”である「シャクティ」が、これまた5つの段階を経ながら、徐々に「アナーマー」を展開させ、6つのピンダを経て人間の身体まで到達します。
母親の胎内で、ピンダがどのような過程を経るのかも1ヶ月単位で記載があります。
そんな感じが超ざっとした1章、、、
はてさて、うーーーーん…日本人には難しいです…
ただこのテキスト、ナータ派の哲学書としては唯一のものとのこと。
またナータ派からの視点で、宇宙創造について書かれた文献としても初。
10つのナーディー、10のプラーナ、9つのチャクラ、16のアーダーラ、、、さらにはアシュタンガヨーガについての記載もあります。もちろんパタンジャリのアシュタンガヨーガとは異なる部分もあります。(私もこれから読むのでこちらの話題はまたの機会に…)
そして…クラスの進行状況から、授業は再び英語の説明がほぼカット…ヒンディ語メインへ…日本人としては文献を10回ほど読み返して、ようやく何となく…です。
「アナーマー」「ニジャー・シャクティ」「パラ・シャクティ」「マハー・サーカーラ」「アンタカラナ・パンチャカ」…5回目くらいまでは、頭痛に悩まされます…笑
しかし、何となくでも文章の意味が分かってくると、面白さも出てきます。
参考文献はThe Lonavla Yoga Instituteと、Kaivalyadhama publicationからそれぞれ批判校訂版が出版されています。
Kaivalyadhama publicationの本は、HPからもオーダーできますが、メインの本はインドのアマゾンからも購入が可能。便利な世の中になってきています。
オーダーから1週間かからず到着です。ちなみにアマゾンの場合は、値段にばらつきがあるので注意が必要です…kdhamでの直接購入と変わらない値段のものもあれば、3倍ほどの値がついているものも。先日「yoga therapy」が700ルピーでアマゾンで出てました…kdhamで購入すれば250ルピーくらいだったと思います…
この難解なインド伝統文化満載のテキスト、出来る範囲でどうにか読み進めていければと思います。
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