IYAインターン_ベンガルのインド部族芸術

今日はインドの部族芸術の一つであるマドゥバニ画やパトゥア画について紹介できればと思います。先日の記事で紹介したマンゴーフェスタではインド西ベンガル地方の物産展が併設されています。そしてその中にこのマドゥバニー画ややパトゥア画のアーティストが多数見えていました。


マドゥバニー画/ミティラー画とは、ビハール州ミティラー、マドゥバニー県とネパールのジャナクプル地方に伝わるインド画の1様式のことです。ミティラーとは、古代インドのガンジス平原東部にあったといわれる王国で、現在はマドゥバニー県とされる地域を指しますが、おおむねゴータマ・ブッダとマハーヴィーラの生誕地とされている地域にあたると言われています。(Wiki参照)


ミティラー画の起源は古代にまで遡り、伝説によるとこの画風は『ラーマーヤナ』の時代に、娘シーターがラーマと結婚する際、父親のジャナカ王が画家たちに書かせたのが始まりだとされているとのこと。


会場でもアーティストの方が、マドゥバニー画について教えてくださいましたが、ネットでも併せて調べると同様のことが記載されていました。


ミティラー画は伝統的に現在のマドゥバニ(文字通りに訳せば「蜂蜜の森」という意味)近辺の村の女性たちによって描かれており、伝統的には小屋の泥壁の上に描かれていたのですが、1967年にビハール州を襲った干魃の救済事業として、当時の首相インディラ・ガンディーがミティラー画を紙に描いて売ることを奨励し、それ以来ミティラー画は布や手すき紙、カンバスに描かれ、アート作品として商品化されているとのこと。(Wiki参照)  この事業によってこの農村地域の生活基盤が整備されたとのことで、アーティストの方の話でもそれまではオイルランプの生活だったところ、今は電気や下水道が整ったんだとの話でした。


インクには自然の顔料が使われているとのこと。こちらのガネーシャの絵も黄色はターメリック、青色はジャムンベリーを使っているとの説明でした。また植物に加え一般的には黄土やすすなどもされているそうです。キャンバスはカディというコットンと紙素材の混合にて作られています。



テーマは自然やヒンドゥー教の神々とされ、自然のオブジェでは太陽や月、それに聖なる植物トゥラシーなどもよく描かれるとのこと。今回も自然なオブジェとして魚、鳥、カメ、孔雀などが多く描かれていました。またヒンドゥ教の神々としてはクリシュナ、ラーマ、シヴァ、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスヴァティーが中心に展開されているとのことです。

今回はマハーラーシュトラ州を初めインド全土で崇拝されるガネーシャ神(上記写真)、そしてインドでは大地の源と考えられているカメの絵を購入しました。


ブースのうち一箇所は、インド政府からパドマシュリー賞も授与されているBaua Devi女史のお孫さんが担当されていました。元々ミティラー画は女性によって受け継がれていますが、今は男性も継承しているとのことで祖母、母から教わっているとのことです。


ミティラー画は1930年にイギリスの行政官によってヨーロッパに知られるようになり、 ピカソにも影響を与えたと言われています。最近ではモーディー首相がドイツ訪問の際にこのミティラー画を寄贈されています。また日本にも新潟県十日町市にミティラー画を蒐集展示しているミティラー美術館があり、上記のBaua Devij女史も日本のミティラー美術館に訪れていたとのことです。


またパトゥア画も西ベンガルの農村地域でパトゥア(インドの西ベンガル州、ビハール州、ジャールカンド州、オリッサ州、バングラデシュの一部で見られる職人コミュニティ)で継承されている伝統芸術です。神々の絵や、魚の結婚式の絵などが沢山ありました。

また絵画とともに、その意味を語った美しい歌を歌ってくださいました。

こちらではベンガル地方で崇拝されるドゥルガー神とガネーシャ神の絵画を購入。他にも沢山のインドの神々が描かれている絵もあり魅力的でした。



このような部族芸術はハタ・ヨーガの世界観と共通点を多く感じます。先日行ったゴーンド画展についてもいずれ報告していければと思います。本日もありがとうございました。

0コメント

  • 1000 / 1000