修士論文「東京首都圏の働く女性の健康管理へのヨーガ実習の役割
修士論文の一部をシェアさせていただきたいと思います、、、
動画はこちらとなります、、、後半23:40から修士論文についてのトピックが始まります。
目的:首都圏の働く女性におけるヨーガ実習の利用状況を測定する。
首都圏の働く女性におけるヨーガ実習の利用とQOLの相関を調査する。
本研究を通してのインドを発祥とするヨーガの知識の普及。等。
対象:東京首都圏でパートタイム、もしくはフルタイムで働く40-65歳の女性のうち、1週間に2回以上、各30分以上、1年以上ヨーガ実習を継続している方。
• ヨーガ実習についてはヨーガ・プロトコール/CYPの実習体系をもとにヨーガ実習質問票を作成、健康の側面は生活の質/QOLに対しWHOQOLBREF、生活主観に対しHealth Practice Index/HPIを使用。
• アンケートはGoogle フォームによる匿名のオンライン調査で実施。データ収集は2021年2月16日~3月10日に行いました。分析はSPPSを使用。最終的に108名のアンケート結果を集計。
結果の一部:
• 被験者の背景情報としてアンケート参加の108名の内、90名以上が伝統的ハタ・ヨーガの実習者であった。また90名の方が5年以上継続して実習を続けている。
• 健康上の問題として被験者の多くが、肩こり・腰痛 (63.0%)の問題を抱えていた。ストレス(33.3%)、疲労(22.2%)が続いていた。
• ヨーガ実習の目的は、1位フィットネス、2位生活の質/QOLの向上が続き、その後感情のコントロール、ストレスの軽減が続いていた。
• 被験者の生活の質/QOL(WHOQOLBREF)の平均値は、日本の成人女性の平均値より高値となっていた。
・被験者のHPIにおける中等度〜高度のポジティブなライフスタイルを送っていた。
• また週4回以上の自己実習、プラーナーヤーマの自己実習、メディテーションの自己実習を行う人のQOLの下位項目のいくつかはそうでない人のQOLより被験者内において統計学的に優位に高い結果が示唆された。
考察
• 自分自身の行動をコントロールするという考え方はヨーガの中心的な理論であり、Internal Locus of Control/自己統制力という言葉は健康管理の側面でも注目されている。ここでは自己実習という自己主導的なヨーガの実践がQOLの向上につながっていることが伺われる。
• 今回の被験者は108名であり、またハタ・ヨーガ実習者がその大半をしめていた影響が結果にも出ていることが考えられる。
• ヨーガ・プロトコール/CYPによるヨーガの基礎知識の普及は、ヨーガに初めて接する実習者にとってその方向性を確認するための手引きとなり、思い込みや実習の偏りを防ぐことにもつながると考えられる。
• 今後の方向性としてインド政府主導の公式なルートで学術的な知識を得て、合理的・客観的にヨーガの付き合っていくことが、自分のため、みんなのため、社会のためになるかと思います。
修士論文への背景については、前回の記事をご参照ください。
参考文献
• Cartwright, T., Mason, H., Porter, A., and Pilkington, K. (2020). Yoga Practice in the UK: A Cross- sectional Survey of Motivation, Health Benefits and Behaviors. BMJ Journals, vol.10(1). Retrieved on 22nd Feb, 2021, from https://bmjopen.bmj.com/content/10/1/e031848.
• Cramer, H., et al. (2017). Is the Practice of Yoga or Meditation Associated with A Healthy Lifestyle? Results of A National Cross-sectional Survey of 28,695 Australian Women. J Psychism Res. Retrieved on, 22nd Feb, 2021, from https://opus.lib.uts.edu.au/bitstream/10453/114070/3/Cramer%2B2017%2BIs%2Bthe%2Bpractic e%2Bof%2Byoga%2Bor%2Bmeditation%2Bassociated%2Bwith%2Ba%2Bhealthy%2Blifestyle %2BACCEPTED.pdf.
• Kanchibhotla Divya, M.S., and Rau, N. (2019). Yoga in India: A study on Perception and Practice of Yoga Among the Indian Populace. International Journal of Current Advanced Research. vol.8(10), 20317-20323. Retrieved on, 22nd Feb, 2021, from https://1library.net/document/zxl1vowz-yoga-india-study-perception-practice-yoga-indian- populace.html.
• Nakane, Y., Tazaki,M., and Miyaoka. (1999). WHOQOL-BREF Survey of General Population. Iryo To Shakai, vol.9(1), 123-131.
• Ross, A., Friedmann,E., Bevans,M., and Thomas,S. (2012). Frequency of Yoga Practice Predicts Health: Results of A National Survey of Yoga Practitioners. Evidence- Based Complementary and Alternat Medicine, 2012,14th Aug. Retrieved on, 22nd Feb, 2021 from https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22927885/.
• Sharma, S.T.,Singh,K.S., Singh,N., and Balkrishna, A.(2017). Characteristics of Yoga Practitioners, Motivators, and Yoga Techniques of Choice: A Cross-sectional Study. Front Public Health. vol.5(184). Retrieved on 27th Feb, 2021, from https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2017.00184/full.
• Tiwari,S., et al.(2015).Beliefs About Yoga: A Survey in Mumbai. J Biol Sci Opin.vol.3(4),176-180. Retrieved on, 26th Feb, 2021, from http://dx.doi.org/10.7897/2321-6328.03438.他
0コメント