インド留学記:4学期振り返り

皆様、ご無沙汰しております。

2019年プネー大学修士課程ヨーガ学科に入学し始まったインド奮闘記ですが、日本からコースの修了を迎えることとなりました。

1年前のコロナ禍からの休講、一時帰国のつもりがそのまま1年の日本からのオンライン授業の継続。全ての講義、実習、試験のオンライン化、講師、生徒ともに毎日が新しい挑戦でした。インドに浸ってのキャンパスライフ、クラスメイトとの現地での時間が中断となってしまったのは非常に残念ですが、オンラインでも伝わってくる情熱的なインドの講師の方々の授業や、生徒みんなとのやりとりはとても充実した時間と学びとなりました。

コロナ禍でクラスメイトや先生もコロナに罹患し、長期欠席することも、、、親戚が亡くなってしまったもいました・・・しかし最後には全員揃って、全ての試験、課題の提出、修士論文の提出、研究発表まで辿りつくことができました。ちなみに結果待ちです。

応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。


これも一つの区切りなので、4学期の振り返りをしていきたいと思います。

4学期のシラバスは以下の内容です、

YG-401: Practice teaching (Advance in Teaching Yoga)/教授法

YG-402: Yoga, Health and Fitness Management/ヨーガ、健康、フィットネスマネージメント

YG-403 Yoga and Spirituality/ ヨーガとスピリチュアリティ

YG-404 Dissertation/ 修士論文

YG-405 Yoga, Diet and Nutrition /ヨーガ、食事、栄養学

シンプルに5教科、に見えますが・・・YG:404が超強者です、笑


3学期からResearch Methodology/研究方法論を学びながら、同時進行で生徒それぞれが自らの論文テーマを決めて、研究を進めてきました。私も含め生徒の大半が初めての「研究」という分野、未知のエリアでしたが、非常に興味深いものでした。


「研究とは」の概論の一部:

• 研究とは科学的な探究のプロセスである。

• 単に事実を探すだけではない。

• 問題に対して、その答えを見つけるための体系的な調査。

• 問題や課題に解決策を与え、その分野に貢献する。

• その分野の知識体系の発見と進歩のプロセスである。


今回は修士なので、とりあえず実際に「実践してみる」、「やってみる」という作業でした。

まずは、自分のテーマを決めていきます。

その時点で初めて研究論文というものを読み始めたのですが、読み方も変わらなければ、書いてある専門用語(p, t-value, mean, standard deviation, standard error of mean・・・)もさっぱり。もう頭痛レベルです。それでもどうにか繰り返し読んでいるとなんとなくわかってくるような感じがありました。


とにもかくにも、研究方法論の系統的手順に沿っていくわけですが、手順に沿っていれば全てスムーズにいくとは限りません。思うような論文が見つけられなかったり、自分の推測と違う結果が見つかったり・・・膨大な量の論文からどれを選択していいものや・・・

混乱→整頓→混乱→混乱→混乱→整頓→混乱、のような一歩進んで3歩戻るようなプロセスを繰り返しながら、テーマを絞るだけでも辛抱強く向き合う必要があります。


研究の鉄則で「決して急がない」というものがあります。急ぐと早とちりをしたり、視野が狭くなってしまったり、仕事が雑になって、それが後々全てやり直しになったり、結果として正しく無くなってしまうことがあるからです。これは本当に実感というか・・・焦って行おうとすると、どうにも上手くいきません。研究において、焦っておこったエラーが、結果を全然違う方向へ持っていってしまうこともあります。


そして何十回自分で確認しても、その度ごとに、スペルミスや見落としが見つかったりします。人間の知性なんて、やっぱりエラーは付きものなのだな、なんていうことも思いました、笑。自分が正しいと思っていても、こんなにも勘違い、思い込み、ミス、こういったものだらけだと、笑。


研究方法論を教えてくれていた教授は、同じ学部の体育教育科の先生で、ヨーガ学科はありません。しかし興味深いことに、研究方法論を学んでいると、これはヨーガの勉強か?と思うようなことが数多くありました。

研究対象が、「自分」であるヨーガ分野、その自分を探究する系統的プロセス。

「自分」の中の問題に対して、その答えを見つけるための体系的な調査。

決して焦らない、忍耐、でも前に進む、客観的に物事をみる、結果を正直に記載、といった研究における基本的態度・姿勢もヨーガの実習原則とも重なります。

パタンジャリの示したヨーガ・スートラが「体系的/系統的/科学的」と言われることを実感する機会にもなりました。


また、これはどう頑張っても自分の力だけでは到底無理、という一人の人間の限界も感じました。ガイドの先生のアドバイスや、日本のヨーガの先生・研究者・先輩のアドバイス、アンケートに協力していただいた皆様・・・そのような方の協力・支えがあってこその研究。


ちなみに、クラスメイトの修論テーマの例ですが、

・ITプロフェッショナルの頸部痛・肩こりに対する頸部の関節体操の効果

・プネー市民のストレスに対するサイクリック・メディテーショの効果

・勤労者のストレスに対するオーム・チャンティングの効果

・大学生の月経前症候群に対するアーサナ・プログラムの効果

・主婦の腕力向上に対するヨーガ・プログラムの効果

・スマホ依存症の学生に対するスクリーンタイムに対するアシュターンガ・ヨーガプログラムの効果

・ヨーガ実習者におけるハピネスレベル

・ヨーガ実習者と非ヨーガ 実習者におけるヴェーダの知識の比較 などなどなど・・・


ちなみに私は「東京首都圏の勤労女性の健康管理へのヨーガ実習の役割」というテーマで研究をさせていただきました。無事にプレゼンまで終了したのですが、若干の修正がありますので、最終的に形になったら、また何かの形で紹介できればと思います。

ここでは簡単に・・・Quality of Life/生活の質を向上させるためには「要自己練」!という結果となりました!さらに自己練でも、瞑想、呼吸法を行うことが重要のようです。最終的に瞑想の自己実習に繋がっていくような系統的なヨーガの実習、それに向けたクラス実習との上手な組み合わせ、このプロセスの大切さを再確認させていただきました。

まずはこの結果によって、自らの自己練習度アップです、笑


また4学期授業内容も徐々に紹介できればと思います。

あとは全ての結果を待つのみ・・・パスしていますように・・・

クラスメイトの中には、難関のUCG-NET/インド大学講師資格にした子もいます。

今後はPh.Dで研究を続けながら、助教授のポストに就く方向かと思います。

他の子もM.A/修士を修了したら、皆んなUGC-NET合格を目指しているところです。


私も次のステップを考えつつ・・・

ひとまず改めてこの2年応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

今後ともよろしくお願いいたします。


こちらは全課程修了後の、生徒の集まり。みんなほっと一息です。

以下の写真は、2年間の思い出・・・。

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